
本来、歯と歯を支える骨(歯槽骨)の間には、「歯根膜」という構造が存在しています。
歯と骨の間にクッションのように存在する歯根膜は、歯を骨に固定させる役割のほか、周りの組織とうまく繋がるための重要な役割を担っています。
当院のインプラント治療では、この歯根膜をしっかりと回復させることを重視した「人工歯根治療」という方法を取り入れ、患者さまの健康で快適な生活を支えられるよう努めております。
歯根膜は、弾力に富んだ薄い膜のような組織で、血管、神経、細胞、繊維から構成され、歯の根を覆うように存在しています。
神経が通っているため、例えば「むし歯がないのに歯が痛む」というようなときは、「硬いものを噛むなどなんらかの原因で歯根膜がダメージを受けたせい」ということもあります。
歯根膜には、以下のような大切な役割があります。
歯根膜は、歯を歯槽骨のあるべき位置に固定する、クッションのような役割を担っています。
矯正治療で歯に力をかけると少しずつ歯が移動していくのは、力を受けた歯根膜の働きによるものです。
歯槽骨に人工歯根を直接固定させるインプラントの場合は、歯根膜が介在しないため、歯を動かすことができません。
歯根膜がクッションのように存在することで、物を噛んだときの衝撃や振動が吸収され、歯や歯周組織への負担を和らげます。
神経が通っているため、歯に伝わった感覚や刺激、温度変化などを感じることができるのも大切な役割です。
この働きにより「極端に硬いものは噛まない」などの反応が生まれ、歯や周辺の組織を守ることができます。
歯根膜には血管がたくさん存在しており、歯根の表面を覆う形で血液を供給しています。
血液は歯根に酸素や栄養素をもたらして歯を健康に保ち、免疫の働きを維持することで歯周病などの感染症からお口の健康を守ります。
通常のインプラントでは歯根膜が存在しないため、感染症のリスクが高くなるというデメリットがあります。
歯根膜は歯の根に存在する組織のため、歯を失った場合はともに失われてしまいます。
金属製の人工歯根を埋め込む通常のインプラント治療は、埋め込んだ人工歯根と骨が直接強く結合するため、歯根膜は回復しません。
そのため歯根膜が存在しないことにより、以下のようなことが起こりやすくなります。
このように、歯根膜は歯の健康を保ち、スムーズな口腔機能を維持するために重要な役割を果たしているのです。
人工歯根と骨が直接結合する従来のインプラント治療では、歯根膜の回復が難しく、今もなお研究の課題となっています。
当院では、健康で快適なお口の機能維持のために大切な歯根膜を回復させ、手術後の治癒力や免疫力の保持にも役立つ独自の人工歯根療法を採用しております。
インプラント治療にご興味のある方、ご検討中の方は、当院で行っている人工歯根療法についてご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。
当院が行っている人工歯根療法は、医学博士・西原克成先生が開発した理論に基づく方法を採用しており、歯根膜の回復を促すことができるのが大きな特徴です。
骨と歯の主成分である「アパタイト」を素材とした人工歯根は、埋め込んだあとも周囲に血流が生じるような形状を採用しており、その結果として、歯根膜の回復を促すことが可能となっています。
治療で使用する人工歯根は、当院が特許を取得しております。
従来のインプラントでは、歯根膜が失われることで歯周組織の免疫力が低下するリスクが高くなります。
そのため、糖尿病や低タンパク血症、貧血など血液の持病をお持ちの患者さまは、手術後の治癒に時間がかかったり、感染症が起こりやすくなるといった不安材料がありました。
しかし当院が行っている人工歯根療法では、免疫の働きを持つ歯根膜が再生されるため、そのような不安を軽減することが可能です。
人工歯根療法は、詳細な血液検査を実施し全身の健康状態を把握してから行い、なおかつできるだけ患者さまのストレスがないよう沈静下での治療を行っておりますので、安心してご相談ください。
※保険適用外の自費診療となります。