むし歯や歯周病などのトラブルは、口の中だけでなく全身の栄養状態とも深く関係しています。
唾液の分泌や歯を支える骨の代謝が低下する背景には、「潜在性栄養欠乏(新型栄養失調、隠れ栄養失調)」 が関わっていることがあります。
これは、健康診断では見逃されやすい栄養不足で、炭水化物中心の食事や外食の多用、朝食抜き、飲酒・喫煙、甘い物の摂りすぎなどによって起こります。
子どもから大人まで誰にでも起こりうる現代的な問題で、体質や吸収の差によっても影響を受けます。
長く続くと、食事の改善だけでは回復が難しくなることもあります。
潜在性栄養欠乏が起こることにより、以下のような症状が見られることがあります。
これらの栄養不足は、口腔内では 唾液機能の低下・歯ぐきや骨の再生力の低下・顎関節や歯ぎしりの悪化 などに関わります。
その結果、むし歯や歯周病の発症リスクを高めたり、手術や治療後の治癒を遅らせたりする原因にもなります。
当院では、こうした潜在性栄養欠乏の改善を目的に、分子整合栄養医学療法(オーソモレキュラー療法) を導入しています。
これは、栄養の偏りを整えることで身体の機能を根本から回復させる医学的アプローチです。
この療法は次の3つの柱から成り立っています。
個々の体質に合わせて、タンパク質摂取の最適化や血糖値の安定化を図ります。
代謝を助け、体内バランスを整えるための必要な栄養素を補います。
運動・睡眠・ストレス管理など、日常生活における習慣の改善を通して栄養の代謝をサポートします。
歯や歯ぐき、骨の代謝を良好に保つためにも、適切な栄養摂取は欠かせません。
歯の病気を「根本から治す」ためにご自身の健康状態を見直し、より良い身体づくりを一緒に考えていきましょう。
歯科治療で使用される金属の中には、水銀やパラジウムなど、人体への影響が懸念される成分が含まれる場合があります。
歯ぎしりなどによる摩耗で微量な金属が体内に取り込まれる可能性も報告されています。
また、近年ではプラスチック製歯科材料の一部についても、マイクロプラスチックとして体内に影響を与える可能性が議論されています。
自然免疫の力を高めることは、むし歯や歯周病の予防につながり、歯科治療の効率を高めることにもつながります。
当院ではお口の健康とともに患者さまの全身の健康にも目を向け、栄養アプローチによるサポートを行うとともに、必要に応じて適切な医療機関をご紹介しています。
これらの点を踏まえ、歯科材料も“口腔内に存在する人工臓器”として慎重に選択・管理することが求められています。
「腸活」という言葉が広まったように、体の健康の基盤は“栄養と代謝のバランス”にあります。
口の中の環境を整えることは、全身の健康づくりにも直結します。
当院では、歯を守ることは身体を守ること という理念のもと、より安全で根本的な健康回復を目指した医療を提供してまいります。
※保険適用外の自費診療となります。